神戸市東灘区にある白鶴美術館を訪ねました。
白鶴美術館は、昭和9年(1934)白鶴酒造の七代当主・嘉納治兵衛によって開館された美術館。
開館90周年記念展「観古 ─ いにしえをみる」が開催されています。
創立者の嘉納治兵衛翁(1862~1951)は、美術品の蒐集と煎茶・抹茶を趣味とし、古希の記念に自ら蒐集した美術品のなかから優品500件を選び、当館を設立。まさに私立美術館の先駆けともいえる美術館。
白鶴美術館のシンボル、本館の全景。重厚感あふれる城郭風の屋根。
庭の中央にたつ燈籠は、東大寺大仏殿前の金銅八角燈籠の写し。
11月3日の文化の日
白鶴美術館、泉屋博古館 (京都)、根津美術館 (東京) の三館の学芸員の方により、クロストークが行われました。
「われらが美術館は不易流行 -かわるもの・かわらないこと-そも、ご縁は幕末生まれのコレクター!?」
クロス・トーカー
海原靖子 氏(白鶴美術館)
実方葉子 氏(泉屋博古館)
野口剛 氏(根津美術館)
ナビゲーター
鈴木幸人 氏(大阪天満宮文化研究所)
泉屋博古館(せんおくはくこかん)は、住友家の15代当主、住友吉左衛門(1864~1926)の中国古代青銅器、書画、文房具を始めとするコレクション、
根津美術館は、「鉄道王」と呼ばれた東武財閥創設者で、政治家の根津嘉一郎(1860~1940)の古美術コレクション、
というように、いずれも、いわゆる近代の実業家であり茶人でもあった各家当主の日本美術・東洋美術のコレクションを所蔵する三つの美術館ですが、
学芸員の方々が、それぞれの美術館の歴史や変遷、所蔵品についてトークを繰り広げられました。
当主共通の趣味であった仏教美術や茶の湯など、初めて聞く興味深いお話を聞くことができました。
その会場の建物二階からの眺め。本館とこちらは渡り廊下でつながっていますがその廊下がまたステキです。
天井には白鶴酒造のシンボルの鶴をモチーフにしたランプ。
本館の写真に戻ります─
耐震耐火、堅牢な鉄骨鉄筋コンクリート造りですが、内部には木材が多く使われ、さまざまの意匠が愉しく見どころいっぱいです。
夕方のお庭を散策。
秋の一日、伝統と近代がみごとにマッチした昭和の名建築と、東洋古美術の鑑賞も一興かもしれません。会期は12月8日(日)まで。
新館の「中東絨毯の美 ─ アナトリア編」も素晴らしいので、ぜひこちらもお見逃しなく !(^^)!