瑞饋祭② ずいき神輿

渡御列が到着する御旅所では、二基の「瑞饋神輿(みこし)」が奉安されていました。
これこれ!
楽しみなんですね~これを見るのが 😊


瑞饋神輿──
平安時代、菅原道真公が大宰府で自ら刻んだ木像を、西之京神人(にしのきょうじにん)が京都に持ち帰って祀り、秋の収穫物を供えたことに始まると伝わります。
室町時代になり、応仁の乱で北野祭の神輿渡御が断絶。そのため西之京神人は大きな一台の神饌にしてお供えをするようになり、やがてそれが年々立派に飾られ、大きな槽(おけ)に載せ、二本の棒で荷って献上するようになったのだそうです。

神輿の屋根はすべて「ずいき(里芋の茎)」で葺かれ、飾りも稲わらや草花や野菜などでつくられています。



本来の伝統的なつくり方に加え、ことしの話題やテーマが沢山盛り込まれています。


「浦島太郎」に「アオサギ」
スタジオジブリの「君たちはどう生きるか」に登場。

「A・R・E」もあります!



「五山の送り火」はとうがらしで!

「リトルマーメイド」、下は「鎌いたち」



ひょうたんにトウモロコシのマーメイド、ほおづきのクラゲも。

前日の作業中の写真。

上が赤ずいき(唐の芋)、下が白ずいき(真芋)で葺かれています。

「風神雷神」に、ポケモン「ニャオス」


「雷神」はほおずきで赤を。
「ニャオス」はずいきの葉っぱととうもろこしの皮。カワイイ(笑)

鳥居など社殿には麦わら細工がふんだんに使われています。麦わら細工は何年かごとに作り直されますが、精巧な模様やデザインは友禅の型彫師が担当されているそうです。細工は収穫された麦でつくります。

瑞饋みこしは「西之京瑞饋神輿保存会」の方たちが日々準備を重ねてこられた成果。
毎夜のように会所で作業されることを「夜なべ」と呼ばれているそうですが、その様子や、祭の前日に組み立てられる過程を、ことし初めて見学させていただきました。手間のいる細かな仕事に驚きました。


上は稲わらを選別したり、「梅鉢」という飾りをつくられているところ。
下は「真紅(しんく)」という神輿の柱で、「千日紅(せんにちこう)」の花を糸に通し、柱に張り付けていくところ。大小の神輿で8本分の花が必要です。1万個ともいわれますが、神輿づくりは、毎年9月1日に、この千日紅を摘むところから始まるのだそうです。


梅鉢」の房はみかん(柚子)と稲。立派な梅鉢ですね! 大きな丸い形はナスに見立てたお飾りです。

梅鉢は、前日にまず神輿の千木に掛けられていました。


「天満宮」の文字は白い千日紅が使われます。


「ようらく」は赤なすや五色とうがらしなど。
きれい、宝石のようですね!

材料の稲わらや千日紅、そしてずいきはもちろん会員さんの農家で栽培されて収穫されたもの。一貫して自給自足の手づくり。一つ一つの作業は地味ですが、奥が深いもので、とてもブログではお伝えすることができません。

瑞饋祭や北野祭については、いつかの講座でお話させていただきます !(^^)!

二基のお神輿のまわりは大人も子供も笑顔、笑顔。たのしそうな歓声があがっていました。
保存会の方々もそんな様子を見て、安堵し喜んでおられると思います。