お会式桜と妙蓮寺椿

いよいよ各地で桜が咲き始め、見頃の季節を迎えましたね。
上京区の妙蓮寺では「お会式桜(おえしきざくら)」がそろそろ見頃を迎えています。


山門を潜って、左手に。



この桜は、案内書きのとおり秋から咲き始め、冬を越えて春に満開となります。真冬に初めて、桜が咲いているのを教えてもらい驚いたものです。


お会式とは宗祖の命日におこなう法会のこと。

青空に濃淡の花びら、濃いピンクの蕾が映えます。やはりこの時季に咲いているのが美しいですね。低いので間近で見られます。可憐な花びらが朝の風にゆれていました。

妙蓮寺は本門法華宗の大本山。開基は日蓮聖人の孫弟子にあたる日像聖人。
永仁2年(1294)、五条西洞院の造り酒屋、柳屋仲興(なかおき)が日像聖人に帰依し、未亡人が邸内に一宇を建立し、「卯木山(うぼくさん)妙法蓮華寺」と称したのがはじまり。柳寺とも呼ばれました。山号は柳の字を分けて卯木山。

石畳の突き当り、寺務所の前には「妙蓮寺椿」

花は少ないながらまだ咲いているものも。下はイチハツでしょうか。
 

室町時代の連歌師・宗祇(そうぎ)が、椿の豪華な美しさと27ヶ坊を有した往時の寺の繁栄を「余の花は みな末寺なり 妙蓮寺」と詠んで賞賛したという椿。

初代の椿は昭和の火災に遭い、いまはこの二代目の妙蓮寺椿が大切に育てられています。こんな椿も咲いていました。

鶯の美声もきこえました。が、姿を見たと思ったら、どこかへ行ってしまいました💦 怖がらせてしまったようです。
境内には御会式桜のほかに、染井吉野、枝垂桜、八重桜などが植えられていて、つぎつぎ咲いていくのが楽しみです。


寺は、1536年(天文5)天文法華の乱、江戸時代には1730年(享保15)西陣焼け、1788年(天明8)天明の大火などによって焼失し、寺地も点々としました。1789年(寛政元)から漸次再建されてきたそうです。

ここには赤穂義士の遺髪墓や、明治の京都画壇を率いた竹内栖鳳や上村松園の師である幸野楳嶺(ばいれい)のお墓もあります。ご存じ、楳嶺さんの旧宅跡はまさに大船鉾が建つところにあり、大船鉾ゆかりの画人といえます。

ふだんは静かな境内を散歩するだけのお寺の、歴史をあらためてひもといてみると幾重にも歴史が積み重ねられているのを感じます。

春の拝観も始まっていますので、お花見がてらに、十六羅漢の石庭や長谷川等伯の障壁画などをご覧に訪れてみられるのもおすすめです。拝観日はご確認ください。
枝垂桜が咲きましたら、追加アップしておきます (^^ゞ (3月28日撮影)    

 

 

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