近衞の糸桜

おだやかな春の季節になりました。
ことしの桜は早く、お彼岸を迎える頃から各地で開花情報が聞かれました。
京都御所の近衞邸跡の枝垂桜も満開を迎えています。

近衞の糸桜──
このあたりは五摂家の一つ、公家の近衞家の邸があった所で、その庭に植えられていた約60本の枝垂桜(糸桜)が次々に咲いていきます。

桜に言葉はいりませんね。
写真はいまいちですが、今日の撮りたてに免じてしばしご覧ください。


小ぶりのやさし気な花。
かの先生もこの桜が大好きだったようです。

池のほとりの老木も風格です。

池と桜が画面に入りきりません <(_ _)>

近衞の池にゆれる糸桜。風に吹かれて、もう揃っていない花びらも。

すこし北側の近衞邸跡の駒札には、孝明天皇の和歌が書かれています。

初めてこの糸桜をご覧になって詠まれた歌。

「昔より名には聞けども今日見れば むべめ(目)かれせぬ糸桜かな」

目かれせぬ、とは、目が離せないほど美しい、という意味だそうです。

池の奥には苔むして風雅な石橋や鬱蒼とした木々が見えます。
近衞池は安土桃山時代の石組ものこる歴史的な庭園の遺構。

桜のまわりとは打って変わって人けのないこの静かな池畔もまた心やすまる風景です。

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