2022 初詣案内ご報告

1月15日、「七本松通の寺をめぐる!」の初詣案内は無事終了しました。前日は京都市内も8センチの降雪でしたが、翌日は天気も回復し、充実した散策となりました。
一部ですが、写真でご報告とさせていただきます。

華光寺の毘沙門天像にお詣り。

「封じ毘沙門天」の壺。悪いところを書いて奉納するのだそうです。

お向かいの光清寺。
弁天堂の「浮かれ猫の絵馬」
絵馬に描かれた猫が、近くの遊里から流れる弦歌にのって、絵馬から抜け出て踊り舞った話。

寺院の多いこの地が、遊里にも近かった歴史が垣間見えます。

下の「心和の庭」は玄関前の「心月庭」とともに重森三玲作。
(通常非公開、公開時の撮影)

出水通七本松の近辺には多くの寺院がありますが、この地は大内裏の「宴の松原」であったところ。

観音寺は伏見城の牢獄の門「百叩きの門」で知られますが、

もとは一条にあり、浄蔵貴所が一条戻り橋で父の三善清行を蘇生させた、その祈願をこめた観音様が祀られるお寺でもあります。

お庭ではだれが寝ているのかと思いきや?

ちらっと見せてね…
ワオ !(^^)!    参加のみなさんが発見されました😊

下ノ森通。むかしは相合図子通。遊里の名残を漂わせるかのように愛染明王が祀られるお寺もありました。

優しいお顔の石仏も道路から拝むことができました。

清和院では


地蔵菩薩立像をはじめ、阿弥陀三尊像や不動明王を参拝しました。

お越しいただいた皆さま、今回ご参加いただけなかった皆さま、
今後も情勢をみながら、講座や散策をご案内いたしますのでよろしくお願いいたします。

 

お墓参りと西賀茂散策 ご報告 

11月13日、17日の両日、堤先生のお墓参りと散策は無事終了しました。
当日は好天に恵まれ、散策日和となりました。春は桜の季節でしたが、今回は紅葉が色づき始め、秋の彩を添えていました。
また、13日には、京都の観光ガイドや講師として活躍されています「京都旅屋」の吉村晋弥さんに、ご案内、解説いただきました。
さらに17日には新たな発見もありましたので後ほどご紹介します。

川上大神宮から霊源皇寺へ。
堤先生のお墓がある霊源皇寺。境内奥の紅葉が青空と白砂に映えて美しいです。

霊源皇寺の樹木葬墓苑へ。

高台にあるので堤先生の墓苑から比叡山もよく望めます(向かって右手)

正伝寺へ。



枯山水のお庭も素晴らしいですが、鐘楼のあるお庭から本堂を仰ぐのも良し、
山懐にいだかれているのを実感します。

正伝寺から西方寺までの道。
北大路魯山人のお墓の前で。吉村氏の詳しい解説を興味深く聞きました。

小谷墓地を経て、五山送り火の船形を担当する西方寺へ。

堤先生に教えていただいたこちらの紅葉、もうすぐ真っ赤になるでしょう。
色づいたら絶品です !(^^)!

大将軍神社を経て神光院へ。


 神光院は山茶花でも知られていて、この日は白い花が印象的でした。
右手は大田垣蓮月の隠棲した茶所。
夕暮れ時の境内もまたさまざまな色に染まっていました。

さて、今回の発見は──
 東京講座にご参加でした、松本薫様よりご教示いただきました。
この西賀茂の地は、江戸時代、後陽成天皇の第九皇子で、後水尾天皇の弟にあたる一条恵観(いちじょうえかん)により営まれた「恵観山荘」がありました。話には聞いていましたが、どこにあったのか詳しいことは知りませんでした。

 その「恵観山荘」の一部、30坪ほどの茶室が、鎌倉市の茶道宗徧流不審庵に戦後移築・保存され(移築後、昭和39年に旧一条恵観山荘の名称で国の重要文化財に指定)、近年一般公開されたのだそうです。

   偶然にも、松本様が今回の散策の少し前に恵観山荘を見学され、370年前には、山荘がこの西賀茂の地にあったことを知り、今回の散策途中にその場所を確認し、解散後、周辺を歩いて特定くださいました。

 キーワードは「醍醐の森」にあったということ。山荘は、醍醐家の祖となった恵観の次男・冬基に伝領されたゆえ「醍醐の森」の名があるそうです。
「醍醐の森」は現在一部が雑木林となって残っており、川上大神宮から霊源皇寺へ行く道の途中にありました。春にはこの道は通っていないのですが、一本北の道をとればこの雑木林があります。道路右側に見えるこんもりとした木々が醍醐の森と思しき場所です。
近くのマンション名も「ダイゴ」の名が入った名で、地域の方に聞いていただき「醍醐の森」と呼ばれているとのことでした。

鎌倉の恵観山荘は、松本様からご提供いただきました写真三点を掲載させていただきます。




桂離宮や修学院離宮と同時代、後水尾天皇の周辺にあった公家の人々の、まさに寛永文化を代表する山荘がこの地にもあったことを知り、堤先生に導かれたのではないかと感じられたそうです。

歴史ある建物のあった場所がわかり、そこを訪れたり、歩くということは京都散策のまさに醍醐味かもしれません (^-^)
このご報告を皆様にお知らせして、終わりとさせていただきます。

お越しいただいた皆様、お疲れ様でございました。
松本様、吉村先生、また各所でご教示をいただきました方々に厚くお礼を申し上げます。
堤先生も喜んでおられることと思います。本当にありがとうございました。
〈参考〉
国指定重要文化財 一条恵観山荘 京都から鎌倉へ移築されし名邸 (ekan-sanso.jp)