16日 宵山飾り見学
午前の部 室町通周辺の山鉾見学
いよいよ祇園祭も佳境に入り、巡行を明日に控えた16日、山鉾の宵山飾りを見学する現地案内が行われました。
堤講師が京都商工会議所主催の京都検定講習を東京で行われた際、この現地案内の告知をされた関係で、関東地方からたくさんの方々がご参加になり、午前と午後で延べ90名近い参加者となり大変な見学会となりました。
最初に訪ねる予定だった鈴鹿山ではちょうど八坂神社の神官によるお祓いが行われており、美人で有名な瀬織津姫のお前立ちを見ることができませんでしたので、画像だけアップしておきます。
鈴鹿山の町会所に飾られるご神体・瀬織津姫のお前立
午前中は室町通周辺の山鉾を見学しました。後祭の山鉾が中心です。それぞれにとても素晴らしいご神体人形や懸装品、飾り金具ばかりで、説明を受けてもとても覚えきれるものではありません。ですが明快に特徴を聞けて見どころがわかり、助かりました。
浄妙山では頭の上に乗る人形の秘密や宇治橋の矢の話、
長谷川等伯の原画の話など興味深々です。
鯉山は何といっても迫力のご神体と懸装品が魅力。
つなぎ合わせると一枚の絵になる鯉山自慢の名品です。
霰天神山では新旧の懸装品比べやこの山だけの特徴を学びました。
午前の部、最後は昭和に復興した名鉾「菊水鉾」に上がりました。豪華な鉾の上は思ったよりも高く、室町通という古い歴史を持つ通りに位置する山鉾の姿は、周りの風景こそ変わりましたが、往時の山鉾巡行のありようを偲ばせるに充分でした。
登楼した菊水鉾の豪華な屋根周り。昭和の職人たちの底力が迫ります。
午後の部 新町通周辺の山鉾見学
午後の部は二時、月鉾から始まりました。豪華な鉾のなかでも特に素晴らしい装飾をもつ月鉾は「動く美術館」の異名を持ち、一番高く、一番重い鉾です。
鉾上から眺める四条通の様子は祇園祭ならではの独特の雰囲気で、とても印象深いものがありました。名残惜しい鉾を後に、郭巨山
から歩き始めます。
郭巨山 巡行では見えにくい金の釜を間近に。
山鉾の会所飾りだけではなく、膏薬の辻子など通り名の説明や町名の話、両側町の解説などが随所に織り込まれ、本当に多方面に亘る京都のなりたちを知ることができます。
太子山 太子のゆかりを伝える秦家住宅。聖徳太子と秦河勝、
1400年以上前の歴史がこの町には現役で生きています。
太子山は一番西にある山。
智恵の杉に腰掛け、驚きの話をうかがいました。
そのほか、油天神山、芦刈山、木賊山などあまり人が訪れない地味だと思われがちな山を訪ね、その素晴らしさを堪能しました。見どころ、聞きどころの解説があるとこんなに分かりやすいものだと感動の連続です。
途中、驚くほど精巧に作られた長刀鉾の模型と出会ったり、予期してはいましたがしばらく豪雨に動けなかったりと記憶に残る見学となりましたが、雨のため太鼓を合図に木賊山が懸装品を取り外す様子を目の前で見物できたり、思わぬ余慶もありました。
船鉾では四体のご神体人形をじっくり拝見しました。
伯牙山は知音の主だとばかり思っていたら、何と戴安道とは!
今回の現地案内は大変多くのご参加を頂き本当に有り難いことでしたが、皆様にご満足頂けたか、不備はなかったか、とても心配でした。講師も同様で、説明が不十分でなかったか、ちゃんと皆様に声が届いていたか、最後までとても気にしておられました。
ですが、助っ人にきてくれた中野さんの奮闘もあり、なんとか最後までやり通すことができました。皆様本当に有り難うございました。