京都・清遊の会 11月 紅葉狩り報告

11月27日(土)、将軍塚から円山公園へ、
晩秋の紅葉狩りを行いました。
三条のだん王法林寺に集合、
タクシーで将軍塚へ向かいました。
だん王さんは浄土宗の寺院。
当初はただの集合場所だったのですが、
三々五々、境内を散歩する参加者を見て
講師の話したい魂? に火がついたようで……
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当寺の境内はその昔、興行、縁日
と京都を代表する観光名所でした。
一見、仁王門に見える楼門。

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実は四天王門なのです。
初めて見る形式に一同びっくり!

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本堂は小さいながら堂宮造りの見本ともいえるそう。
それを証明する見事な妻飾り彫刻、必見です。

朝陽山、施檀王院、無上法林寺といういかめしい名前
袋中上人と団王さんの話、
信ヶ原譲誉という傑僧のこと
富岡鉄斎翁の供養料について
往時は大変な信仰を集めたという主夜神堂のはなし
などなど、とても予定してなかったとは思えない説明に
一同大満足でした。
さて、本来の紅葉狩りへ
青蓮院の飛び地境内である大日堂
かなり盛りを過ぎたとはいえ
まだまだ見事な紅葉が迎えてくれました。
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山門から見える紅葉に期待が高まります。
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紅葉に包まれた大日堂。
参加者のT下さんから頂いた写真です。

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付近から発掘された胎蔵界大日如来の石像。
大日堂の名前の由来です。

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境内は中根金作氏の作庭です。
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ここが本物の将軍塚。
実際に鳴動した事例まで説明されるのが清遊の会の特長。

境内に設けられた立派な展望台からの眺めは
まさに絶景!
しかし、一人だけ高さが違う人がいるのですよね(笑)
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境内北側展望所からの眺め。
ここからでも充分に見事です、とうそぶく誰かさん。

そのほかにもたくさんの説明を聞き
一同は名残惜しく大日堂をあとに……
気を付けて東山の斜面を降りると
法然上人ゆかりの「蛍の窟」につきます。
正しくは「法垂窟(ほうたるのいわや)」といい
日本浄土宗決定(けつじょう)の地ともいえる場所です。
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法然上人が夢中で善導大師と出会われた場所。
いわゆる「真葛ヶ原の出会い」の舞台に襟を正します。

知恩院の大鐘楼を経て、安養寺
青空に映える銀杏の黄色が目に鮮やかです。
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天台宗と浄土宗と時宗が交錯する吉水の地。
近くは「円山会議」の舞台でもあり、
中世から近世の歴史も交わります。

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本堂に座り、講師の話を聞きます。
めまぐるしく宗派が入れ替わりとても一回では理解できません。
さらに大谷句仏まで登場し、宗教学と幕末維新が飛び交い
参加者の頭はウニ状態? 
とにかく大事な場所ということだけは分かりました(汗、汗)

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吉水の地名の由来。法然上人が永い年月を過ごした地。
親鸞との出会いもここでした。手前の井戸と奥の湧水。
どちらも今は涸れてしまいました。

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かつてこの場所は青蓮院の土地。
それを示すように慈円和尚の宝塔。重文です。
もっとこの塔は知られなければ、と講師。
同感です。

弁天堂を出て、一行は長楽寺
名にしおう名刹。
聖一国師七条仏師頼山陽富岡鉄斎
次から次に歴史が飛び交います。
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西行や建礼門院の故事で知られる長楽寺
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焼いてない、手びねりのままの布袋像。驚きの土像です。
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慈照寺庭園の試作との伝承をもつ庭園。
地勢を巧みに使っています。

はや日は西に傾き、
一同は時宗の遊行上人像を鑑賞したのち
長楽寺を後にしました。
今までとは打って変わって混雑する円山公園を通って
八坂神社西門で解散しました。
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円山公園の枝垂れ桜 秋ならではの造形美が見事です。
これも参加者のT下さんよりいただきました。

晩秋とはいえ、まだ充分に紅葉もきれいで、
いつもながらの圧巻の説明、
皆様も満足して頂けたのではないでしょうか。
報告が遅くなり、本当に申し訳ございませんでした。

公家茶室で楽しむ「和菓子の会」と京都御苑散策

2010年10月19日 おだやかな秋の一日、京都御苑・拾翠亭において「和菓子の会」を開催、続いて京都の公家文化の話を聞き、御苑内の厳島神社や宗像神社に鎮座する観光神社などの散策を行いました。
旧九条家茶室・拾翠亭は、江戸時代の公家茶室遺構として残される貴重な建物。
翡翠(かわせみ)の緑(翠)を拾い集める意の席名らしく、開け放した窓から緑の爽風が吹き渡ります。
第一部「和菓子の会」は和菓子研究家の井上由理子先生から、目で楽しみ、耳で学び、口で味わう京菓子の醍醐味を教わりました。
以下、何枚かの写真とともに情景を追います。

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九条池に面した拾翠亭一階広間にて
井上先生から和菓子の歴史についてお話を聞きました。
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開け放った縁側から高倉橋を望む風景。
聞こえるのは風のそよぎと鳥のさえずりのみ。
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不老長寿の仙薬をもとめて黄泉国に渡った
菓祖「田島間守命(たじまもりのみこと)」。
手にはお菓子の起源とされる「非時香菓
(ときじくのかぐのこのみ)」を持ちます。
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唐菓子の一つ「歓喜団」(清浄歓喜団)
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同じく唐菓子の一つ「索餅(さくべい)」(再現)
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茶の湯創生期から用いられた菓子の一つである「昆布」
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南蛮菓子の一つ「コンペイ」
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南蛮菓子の一つ「ホウル」
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秋の干菓子いろいろ
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南蛮菓子の一つ「アリヘイ」が進化した有平糖
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最も古い和菓子の製菓書「古今名物御前菓子秘伝抄」
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「京菓子講座」(昭和33年刊)
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お話のさいごにお抹茶で秋の主菓子をいただきました。
秋桜、萩、まさり草、光琳菊、栗、紅葉などとりどりの意匠。
第二部は二階に場所を移し、堤講師から、京の公家文化についてお話を聞きました。
九条家は近衛家に次ぐ五摂家の名家。
摂家とは摂政・関白を出すことができる家格をもつ公家のことです。
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二階で現代にまで続く公家の歴史や
京の祭事に生きる公家の影響を学んだあと、
亭内の建物の説明を聞きます。

パンフレットに書かれているようなことはパンフレットを読んでください、
と話は自在な展開を見せ、池に突き出した縁側の榑縁(くれえん)と切り目縁の違い、
そしてその縁の下の意外な世界……。
本当に目からウロコの連続です。
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榑縁の縁側と欄干の意匠、
下ろされた御簾の高さと座る文化の視点の交点。
絶妙のバランスが光ります。

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縁下に広がる荒磯の景。そのこころとは?

さらに一同、建物を出て腰掛待合の演出などを聞き、亭外へ。
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様々な仕掛けが施された腰掛待合。
聞かないとわかりません。

勧請された厳島神社や、御苑内に鎮座する宗像神社などを見学しました。
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おなじみ珍鳥居。
しかし、鳥居だけではなく神社の説明が大事です。

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宗像神社内に鎮座する観光神社。
観光王国京都ならではの由緒は見逃せません。
講師が用意された幕末の京都御所公家屋敷配置図とともに巡る京都御苑散策。
本当にわかりやすい説明で一堂満足の二時間でした。