11月28日、堤講師による妙心寺の現地案内を行いました。
前日の寒さとは打って変わって秋晴れの暖かな日となりました。
皆さまの精進のおかげ? 講師の精進のおかげ? とにかくよかったです。
南総門前に集合。はみ出した文字がそのまま彫り込まれた寺標に先ず驚き!
これが妙心寺の禅の力です、との説明に一同納得。
三門は山内唯一の朱塗楼閣建築。
正面から、そして横から見上げて、上層と下層の柱一本分の違いという絶妙のバランスを堪能。あわせて四方の獅子頭や逆蓮柱もたっぷり鑑賞しました。
仏殿と四派の松。妙心寺の源流となった四派の法脈を象徴していたのですね。
寺号の由来を示す仏殿の釈迦如来拈華像。
大方丈では回廊に添って妙心寺派寺名一覧が! 圧巻の3400ヶ寺!
塔頭では桂春院を訪ねました。
ここには「清浄の庭」をはじめ四つの庭があり、こちらは「侘びの庭」
方丈の経座越しに見る庭の見事さ。皆さん写真におさめておられましたね。
仏間正面には狩野山雪の「松に月図」。そしてそれに向かい合う「真如の庭」の細部にわたる計算された意匠。いやはや、なんとすばらしい空間でしょう!
講師の案内に耳を傾けるうち、はやくも夕暮れ近くに。
しかしながらただ歩くだけの石畳にすら感動の逸話が敷き詰められていたとは。
こんなほほえましい石仏もおられました。
春光院の前では、亡き息子・堀尾金助を想い裁断橋擬宝珠に銘文を彫った母の話、南蛮寺にあった鐘の話、そして久松真一氏はじめ禅学と近代哲学の話は講師の本領発揮というか、面目躍如たるもの。
いやはやなんと申しますか……。何も申せません。
続いて霊雲院では西田幾多郎先生の話を。
もうすでに門が閉まっていましたので、雰囲気はこちらの写真をご覧ください。
玉鳳院の前で。
向唐門と平唐門の話を聞き、しばしいにしえの大宮人に思いを馳せるうちに、ちょうどその二つの門に夕日がさして輝き出したではありませんか! 感激……
そして四派の松の源流となった妙心寺中興の祖・雪江宗深が開いた塔頭、衡梅院の前で。通常の案内ではなかなか聞けない深いい話でした。
境内にはまだまだきれいな紅葉も見られ、大満足の妙心寺散策。
大勢さまのご参加をいただき、本当にありがとうございました。