祇園祭によせて

今年の祇園祭は、神輿渡御も山鉾巡行もありませんが、祭の原点、疫病退散を願う気持ちは皆同じです。
八坂神社にお詣りしました。
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以前は毎年恒例のように、猛暑のなか、山鉾町を堤先生のご案内で巡りました。
午前と午後の二回、それぞれ40余名様をお連れして回っていました。
山鉾といいますとそんな思い出が一番に浮かびます。
ことし南観音山(新町通錦小路上ル)では、ご神体の楊柳観音像と脇侍の善財童子を、会所にて24日(金)まで公開されています。(拝観は午後1時~6時)
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      (観音座像 南観音山サイトより)
楊柳観音は病難救済を本願とする観音様だそうで、ことしのような年こそ疫病退散を願って参拝いただけるようにと公開されたそうです。
実際に観音像の前で拝しますと、なんという慈悲のお顔かと一瞬胸が詰まりました。
悲しみ、苦しみ、辛さ…もろもろの気持ちを汲み取って包み込んでくださるようなお顔。心安らかになれる、救われるとはこういうことかもしれません。
南北朝から室町時代頃に創られた観音様で、「頭胸部」は天明の大火の際に町衆が持ち出し、焼失を免れたと伝わります。
会所では、綴錦の「龍王渡海」見送や、修復を終えた大屋根に四神の天水引を掛けて展示されています。
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大屋根は圧巻の迫力! 四神を刺繍された水引を間近で見るのも初めてです。素晴らしいです。
山鉾町を歩きますと、思いがけず、町会所にご神体人形を飾っておられるところがありました。
月鉾の於莵麿(おとまろ)
函谷鉾の嘉多丸(かたまる)
通りからご神体の姿を見せていただけるのはうれしいですね。
また、京都文化博物館では「祇園祭」の展観が7月26日(日)まで開催されています。
懸装品や、欄縁などの飾金具、鉾頭など、巡行時にはその全貌を見られないものも展示されています。
いつもの祇園祭ではないけれど、今までになかった取組みがされていたりすること。
心からの願いが込められていると感じる町の風景です。

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